【動画】米カリフォルニア州オークランドに本拠を置く大リーグのアスレチックスの移転が決まり憤る地元ファン。一方で、24年5月からオークランドの新しい野球チームとして独立リーグ参入を表明したボーラーズを歓迎＝提供
その質問に対して、柔らかかった表情が一変した。
2023年12月、米テネシー州ナッシュビル。大リーグの球団幹部や代理人らが一堂に会すウィンターミーティングで、アスレチックスのマーク・コッツェー監督が報道陣と向き合っていた。
カリフォルニア州オークランドに本拠を置くアスレチックスの「移転」。長らくうわさされてきたが、その3週間ほど前にあったオーナー会議で満場一致で承認された。25年からの移行期間はカリフォルニア州サクラメントを暫定本拠地にし、28年を目安にラスベガスのカジノ施設跡地へ移る。
「地域やファン、従業員たちにとって、とても悲しいことだ」
「グリーン＆ゴールド」のユニホームで知られるアスレチックス。1972年からワールドシリーズを3連覇した実績がある。通算1406盗塁のリッキー・ヘンダーソンや、ホセ・カンセコとマーク・マグワイアの強打者コンビら球史に残る選手が在籍した。2011年にはアスレチックスを中心に描かれた映画「マネーボール」がヒットした。
そんな伝統球団が、68年から根城にしてきた街から姿を消す。最大の理由は環境。本拠スタジアムは老朽化が激しく、衛生面など多くの問題を抱えている。大リーグ記録サイト「ベースボールレファレンス」によると、ここ2年は観客動員数もワーストだった。昨季の1試合平均1万276人は、トップだったドジャースと3万5千人以上もの差があった。
去ったNBAとNFL、MLBも
オークランド市は、19年にプロバスケットNBAのウォリアーズ、20年にプロフットボールNFLのレイダーズに去られたばかり。新球場建設の計画をアスレチックスに提案したが、交渉は決裂した。
街は喪失感であふれた。そん…
